愛の流刑地

愛の流刑地

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愛の流刑地

●大人の恋愛映画

■管理人オススメの恋愛映画

■Review: by Casel

宝珠の恋愛映画。極上の大人の恋愛映画です。三面記事にはその事件の結果しか書いてないが、そこに至るまでの当事者たちのドラマには「真実」があり、すべては「愛」のためである・・・を語るシナリオが心憎いほどうまくできている作品。落ちぶれた作家とそのファンである平凡な主婦という設定がこの物語の面白さを生んでいる。当事者の男を豊川悦司、女を寺島しのぶが好演。(トヨエツとても素敵でした。寺島しのぶキレイでした)ほか豪華キャストが脇を固める。

ヒット作を熱望する作家。それには情熱的な恋が必要だった。
男の愛を熱望する女。愛のない生活で空ろな人生をおくる主婦にはファンタジーが必要だった。
二人は出逢い、恋に落ちる。お互い既婚者である罪悪感を背負って二人は恋に夢中になる。女は初めて人生の輝きを得る。情事を重ねる日々がつづき、ある日、事件は起きる。

性愛とはいかなるものかを知らない人には、未知の世界ゆえにこの二人を理解できない。女は二種類いる。男も二種類いる。理解に苦しむ人がいても当然だ。
身も心もとろけるほどの性愛を知ったら「死」など怖れに値しない。なぜなら十分に生きたという実感を得るからだ。至上の性愛を経験したら、もうなにもいらない。もうこのまま死んでもいい気分になる。悔いがなくなるからだ。今まで満たされない人生にいたならなおさらだ。特に女は。女は愛の中でしか生きられないのだ。

愛は目に見えない。愛は心の中にある。愛は法で裁けない。法廷で「愛の真実」が浮き彫りになる。
女が死ぬ前に確かな愛を記し残してくれていたことが救いである。女の愛のシナリオはすべて男への愛によるものだったのだ。女の愛のエゴは激愛する男を完璧なまでに自分だけのものとした。女は最高の一生を遂げたのだ。きっと成仏するに違いない。 劇中、官能シーンは多くあるが、男女の心理を知るために効果的に使われている。 平井堅のエンディング曲「哀歌(エレジー)」が心地よく余韻に浸してくれる。
「愛の真実」を社会派ドラマ風に仕立てた恋愛映画の傑作。通俗的な出来事にこそ「愛の真実」がある。オススメです。

R−15

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この映画では、手を下した男が裁かれている。社会的には普通そうだろう。しかし「愛の世界」は違う。
「愛の世界」で裁かれる人物は、女の夫であると私は思う。

すべては、夫の怠慢と傲慢がこの事件を引き起こしたのだ。妻の心を、妻の気持ちを他のものに向けたいと思わせてしまった夫の落ち度である。
夫でありながら妻の心を自分に引き止めておけなかった夫の怠慢が裁かれるべきなのだ。 しかも、妻を死にたい気持ちにまで追い込んだ夫は重罪である。すべての責任は夫にある。

被害者ヅラして偉そうに妻と男を非難する夫は、救いようのない愚か者である。
妻を恥さらしと罵る夫。恥さらしは夫のほうである。男を犯罪者だという夫。犯罪者は夫のほうである。
夫は、男に感謝しろ。非難する資格などないのだ。なぜなら、自分が怠ったことを代わりしてくれたのだから。 妻を苦悩から開放し悦びを与え、幸せにしてくれたのだから、男に礼のひとつでも言うべき立場なのだ。 妻には社会的打算はなかった。ただ単に心安らぐ居場所を見つけただけだ。 それがわからないバカな夫だから、妻は離れていったんだ。

これが、「愛の世界」「心の世界」だ。

離れたくない、いつも一緒にいたいという気持ちにさせておくのが夫の勤め。 離れていった妻を責めるのは、お門違い。妻を物としか見ていない証拠だ。

結婚という単なる社会的取り決めの上にアグラをかいて努力を怠った者が罪人なのだ。
夫は「“忙しい”に名を借りた怠慢」を大いに反省し、罪悪感を背負うべきだ。 妻の気持ちに心を配らなかった報いをうけよ。 妻に詫びるのは夫のほうである。 妻に至上の悦びを与えられなかった夫の義務放棄なのだから。
映画の中で、夫を見る、女の実母の目がそれを物語っている。 「どうして夫であるあなたが娘を幸せにしてくれなかったのか?」と。
ほんとうに裁かれ刑を受けるべき者は夫なのである。

恋愛も同様。
離れていった者は、なにも悪くない。離れたい気持ちにさせた自分の責任だ。離れる理由がなければ、誰も離れはしない。
離れていってほしくなければ、
自分から離れる理由を与えないために、精一杯の努力と真摯な愛を全力で提供し続けるのがパートナーシップだ。

このことに気づく人間は少ない。ぜひ、この映画で気づいてほしい。

男女の結びつき。人との結びつきは容易ではない。心と心の結びつきは容易ではない。

人の心というものは、ただ快い場所を求めるだけだ。
心というものは、不快な場所にいつまでも居たくないだけなのだ。

それがわからないかぎり、愛を享受することは永遠にできない。社会通念に縛られた思考では、幸せを理解することはできないのだ。

(2007年 / 日本 )
収録時間: 125分

監督: 鶴橋康夫 鶴橋康夫
製作: 富山省吾
脚本: 鶴橋康夫 鶴橋康夫
原作: 渡辺淳一 渡辺淳一
撮影: 村瀬清 鈴木富夫
音楽: 仲西匡 長谷部徹 福島祐子

出演: 豊川悦司 寺島しのぶ 長谷川京子 仲村トオル 佐藤浩市 陣内孝則 浅田美代子 佐々木蔵之介 貫地谷しほり 松重豊 本田博太郎 余貴美子 富司純子 津川雅彦

■Introduction:
渡辺淳一の同名ベストセラーを映画化した官能ラブ・ストーリー。情事の最中に男が女の首を絞めて殺すという結末を迎えた一組の不倫カップルの愛と死の真相を官能的に綴る。主演は「北の零年」の豊川悦司と「ヴァイブレータ」の寺島しのぶ。ある日、情事の果てに相手の女性を絞殺したとして一人の男が逮捕される。男は元ベストセラー作家の村尾菊治。被害者は夫も子どももいる女性、入江冬香。菊治は、冬香が殺してほしいと望んだからだと主張する。一方、事件を担当する女性検事・織部美雪は調べを進めるうち、冬香の気持ちに共感を抱き始めている自分に困惑していく…。
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